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カウンセラーコラム
2017-09-18【家族】
病気によって切り開かれること
「国が定める特定疾患の1つ…難病です。残念ですが完治はありません…」
医師のこの言葉から、私の人生観は良い方向に変わったんです。
14歳で症状が出始め、難病だとわかったのは17歳。
3年間は「何も異常はありません」と言われるばかりで、母と二人で、いわゆるドクターショッピング状態。
学校では登校拒否だと勘違いされ、具合の良い時に学校へ行くと同級生から笑われたり。
病院の看護師さんにまでも
「本当は行きたくないからじゃない?」
と笑いながら言われました。
「こんなに体がおかしいのに!」
とその時期がものすごく辛かったです。
段々家族からも仮病と思われるようになるし、誰も信じてはくれない、誰も信じられないと思いました。
ずっと続く38度までの微熱、関節痛、ニキビとは違うブツブツが皮膚にでき、血圧は70/40、体重も7kg痩せてフラフラ状態。
脈は横になった安静時で120/分。
120という脈拍数は、人が短距離走を全力で走った時の脈だそうです。
私は少しでも歩けば脈は150/分となっていました。
咳が激しくでることもあり、すると家族からは「うるさい!」との声。
お布団をかぶりタオルを口に当てて、必死に咳が聞こえないようにしていました。
「良い高校に入れたのに…」と両親は残念そう。
私が寝ている横で「夢も破れ~」と歌ったり。
私の事で祖母と母が毎日言い合いをしたり。
死にたいと思う毎日でしたし、実際に死のうとしたこともありました。
でもその時、我が家に来たばかりの子犬によって救われ、私の心の拠り所は1匹の大切な犬だけでした。
それから1年ほど経つと、目にも症状が出てきたのです。
目は真っ赤になり、膿まで出ている!
すぐに入院となり検査の日々。そして難病が発覚。
その時の私は、ドラマであるような
「どうして私が・・・・・」
ではなく、正直
「それみたことか!」
と、どーだ!仮病じゃなかったでしょ!?と言いたい衝動に駆られたぐらいでした。
だって痛みやしんどさを家族にさえ理解してもらえなかったのだから、
水戸黄門の格さんが印籠をかざしてドヤ顔するぐらいの気持ちでした。
だけどその後にドーンと現実に戻されたことが1つ起こったのです。
難病宣告されてから、母が1週間で10キロの激やせ…。
母は毎日泣きながら
「母さんが代わってやれたら…」と…。
父も同じ事を言いました。
この時初めて、難病になったことの重さ、なったことでどんな事が生じるか…、
自分の事だけでは済まないということを痛感…。
難病になったことよりも、なったことで家族に大きな心配をかけてしまった事が悲しかったのです。
難病がわかるまでに言われた嫌な事も、全部吹き飛びました。
だから私は、「家族の前で、絶対に病気の事で落ち込んだり泣いたりはしない」と決めました。
母には、「"病気だからできない"…じゃなくて、"病気だけど出来る"…という人間になるから」と宣言。
明るく話す私を見て、母の体重も徐々に元へ戻っていきました。
それからどんどん病気は増えていき、今では20個以上の病名を書けるほどに。
お薬も毎日50錠以上服用、末期がんの患者さんが使う強力な痛み止めの貼り薬も使っています。
使わないと痛くて何もできません。
喘息の発作止め、狭心症の発作止めも欠かさず常備。
メインの膠原病以外に、狭心症や慢性呼吸不全、両目は右半分認識できず(見えない)、
薬剤性の白内障も。両膝の骨、両足首の骨、両大腿骨の骨が壊死で進行中。
胸椎~腰椎を7か所圧迫骨折、それによって4か所ヘルニア。
大腸は手術で半分近く切り取り、残っている部分もほとんど動いておらず。
子宮、耳、甲状腺…etc。書いているとキリがないほど増えました。
心臓の発作は胸痛が激しいタイプで、発作が出た場合は発作止めのニトロを5分置きに3回使って、治まらなかったら、急いで救急車。
発作が出て30分以内が勝負だそうです。
夜は睡眠時無呼吸症候群も起こすので、バイパップという呼吸アシスト装置を装着して寝ています。
電動自転車のアシスト機能のように、呼吸を手伝ってくれるのです。
検査入院中に呼吸が止まり、意識が戻るかさえわからない状態にもなりました。
また、薬の副作用で血糖値が600まで上がり、インスリンの注射が効かない時期もありました。
他には目の炎症が治まらず、眼球に直接注射を刺されたことも。迫りくる針を見て目を閉じないように、
機械で瞼を固定されるのはさすがに怖かったです。
全ての病状は書ききれないので、この辺りで止めておきます。
今年は新たに3つの病気を発症し、どれも完治がないものです。
出来ることも行動範囲もどんどん狭くなっていくけど、"病気だけど出来る"という思いが常に頭にあったので、
「狭くなったらその中から出来ることを探せばいい」と考え、色んな事にチャレンジしています。
病気がなかったら…と思う時はたくさんあります。
検査結果や進行にものすごく落胆することもあります。
昔はあれも出来たこれも出来たと、出来たことを考える時もいっぱいあります。
逆にやっておけば良かったという事も山ほどあります。
だけどきっと、病気じゃなかったら私はつまらなくてありきたりな人間になっていたと思うんです。
病気のせいで、同級生たちとは全く違う道を歩くことになりました。
最初はそれがとても寂しく感じていました。
でも視点を変えれば、病気にならないと見えなかった沢山の道を見つけることが出来たのだと思います。
また、病気だから出会えた人たちがたくさんいるんです。
「道は1つではない」
どんな状況になろうと、人生に"行き止まり"はありません。
清家 ゆきこ
●一般社団法人 日本10代ホットライン協会 心理カウンセラー3級
●一般社団法人 日本10代ホットライン協会 メールカウンセラー養成講座修了
(日本学術会議協力学術団体)
●メンタルケア学術学会 正会員
●メンタルケア学術学会 メンタルケア心理士
●メンタルケア学術学会 ペットロスハートケアカウンセラー
(全国webカウンセリング協議会)
●ネットいじめ対応アドバイザー
●心理療法カウンセラー
●日本アロマセラピー統合医学協会 アロマセラピスト+インストラクター
●一般社団法人 日本ペット技能検定協会 ペットロスアドバイザー
●ひきこもり支援相談士
●介助犬 パートナーと共に認定試験合格
●WJLC 日本語教師養成一般講座修了
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